こちらの写真、すごく違和感感じませんか?
奥の橋に焦点を合わせると、特別変な感じはありません。一方で、写真全体を見ると、見続けると平衡感覚が乱され、気持ち悪くなります。
その理由は、1つです。目の前の橋の手すりが斜めっているからなのです。この手すりが手前にあるだけで、写真が曲がっているように見えるのです。この風景を生で見ても、何の違和感もありません。しかし、この一枚にすることで、世界観が変わります。
視野が狭いと、見方が全く変わることを示しています。そして、人間が如何に騙されやすい感覚を持っているかも、よく分かると思います。
よく俯瞰的に物事を捉えましょうと言われます。しかし、必ずしも俯瞰的に見ることが正しい訳ではありません。同じ画面でも、焦点を変えるだけで、見方を変えられるんです。だから、必ずしも俯瞰してみる必要はありません。
俯瞰してみるということは、物事を上から見るということで、自分の立ち位置が変わります。言うのは簡単ですが、なかなか出来ることではありません。でも、焦点を変えることはできます。その景色にある物の中で、別の物を選べば良いのですから。
見抜く力、それは、焦点を変える力なのだとラフマニストは考えます。そこに答えはあるのですが、インパクトのあるものに引きずられてしまい、答えに辿りつかない、つけないのです。たとえば、声の大きい奴に意見が引きずられることがあります。それも、インパクトのあるものに引きずられているのです。人間は時間の中で生きていますから、瞬発力があり、声が大きいと、そちらに引きずられます。本当にそうかな〜と思っても、引きずられてしまいます。ですが、大事なのは一歩引いて、本当にそうかなと疑心暗鬼になることが大事です。時間がかかっても良いので、しっかり見極めることが大事です。自分なりに、納得すること、です。負に落ちないことは腑に落ちないのですから、腑に落ちるまで考えることです。そのためには、声が大きい方を払拭し、じーっと別の焦点を見つめるのです。
音楽の場合、メロディーに耳が行きます。しかし、メロディーが音楽を決めている訳ではなく、リズムだったり、他の音が決めていたりします。どんなに素敵なメロディーでも、周りの音がいまいちでしたら、輝きません。一方で、メロディーがいまいちでも、周りの音がよければ、すごくいい音楽になります。なので、どんな音がその音楽を支配しているのかをじーっと耳を澄ませたり、じっと見たりすることが大事です。メロディー以外に焦点を合わせると、自ずと、見えて来たりします。じーっと見ている、ただそれだけです。
焦点を変えることは、見方を変えることですが、すでに視野にあるものの中で、マイナーなものに意識を向けることと等価です。そんな視点を持つように心がけると、意外な一面を見出すことが出来て、人生がより深いものに変わります。